『記憶の欠片』 三重農業高校舞台映像研究部(Not演劇部)その1

はじめまして。三重農業高校舞台映像研究部顧問の角です。今回の舞台に声をかけていただきありがとうございます。また上演時間につきましても、残った生徒の心情を汲んでいただき、工藤さんはじめ各劇団関係者には本当に感謝しています。これまで冬季大会には実験的な30分作品を創ってきましたが、今回だけは「生徒の魂を形に」と違う形になりました。本番では皆様が納得できるよう精進していきます。
ご存じかも知れませんが、3月1日をもちまして閉校となり、今は生徒がいない中で総合高校に引き継ぐ準備をしています。これが三重農を冠する最後となりますので、皆様方もぜひ客席で最期を見届けて欲しいと願います。

三重農業高校舞台映像研究部は4年前に3人から始まりました。二年前からは同じ敷地内にある別の学校(三重総合高校)と合同で活動してきました。この4年間で26公演をうち、現場経験を重ねてきました。高校演劇の現場では、それなりに多くの衝撃を与えることが出来たのではないかと思っています。しかし今回の舞台は逆に、オーソドックスな演劇的手法で創ったモノですので、演劇畑の人々にも受け入れられたのだと思います。部活を立ち上げたときの人数に戻って、有終の美で飾りたいと思います。

さて、諸々の事情で昨日から練習を再開しました。色々な手直しもしながら一番彼らに心するように伝えたこと。それは「お金を取る公演」であることです。普段私達の活動では、部活動という枠組みや学校事情などもありそれは出来ません。当日だったら1500円という大金を払うだけの価値を提示できないといけない。「お金は価値の交換媒体であって、そのもの自体に価値はない」。ならば、観に来てくれた方々の時間を預かり、劇場に足を運ぶ労力に見合うだけの対価を、いやそれ以上の何かを心に刻む力を提示できなければならない。君たちの一生懸命さやかけた時間と労力は、そこで始めて成立するモノだと。それなりに現場を多く踏んできた彼らは、それを成し得てくれると信じています。

ぜひ席は前の方で!
役者の眼の表情がわかる距離でごらんください!


学校
部活
恋人…
それぞれの記憶の欠片を集めて
そっと抱きしめます
そして静かに前を向き
また一歩
歩み始めます…